聞き慣れすぎて、ビタミンB群とか興味ない人が多いですかね?
ちなみになぜ、ビタミンB「群」なのかというと、ビタミンにはビタミンCのように単一ビタミンしか存在しないものと、ビタミンB群、ビタミンA群、ビタミンD群のように関連物質を総称して呼ぶ場合があり、ビタミンB群となっています。
ビタミンB群の確認された効果は以下のようになっています。
・認知機能低下の防止と認知症リスク減少
・気分の改善w
認知機能低下の防止と認知症リスク減少
この研究では、過去の95件の研究、参加者46,175人を対象となっています。(25件のRCT、20件のコホート研究、および50件の横断研究)
MMSEという認知機能(6155人の参加者; MD、0.14、95%CI 0.04〜0.23)のテストを用いた検証では、有意に認知機能の低下を遅らせる効果をしましています。(4211人の参加者; MD、0.16、95%CI 0.05〜0.26)
また、摂取の期間でも効果の違いが出るようで、 12ヶ月間、Bビタミン摂取し続けた人たちの認知機能の低下も減少させましたが、(3814人の参加者; MD、0.15、95%CI 0.05〜0.26)
その一方で、短い介入期間層ではこのような結果は見られませんでした。(806人の参加者; MD、0.18、95%CI -0.25〜0.61)。
ただし、認知症の人を対象にした検証ではこの結果は見られませんでした(642人の参加者; MD、0.20、95%CI -0.35〜0.75)。
また50歳以上の人で、フォレート(ビタミンB群の一種)の摂取量が高い個人では認知症のリスクが有意に低かった(13529人の参加者; HR、0.61、95%CI 0.47〜0.78)、一方、B12またはB6の摂取量が高い個人では認知症リスクは低くなかった。
などなど、ダーっと羅列しましたがこんな感じですね。
まとめると、こんな感じでしょうか。
ビタミンB群は認知機能の低下を遅らせる
ただ、12ヶ月程度継続する必要はある
認知症になってしまった場合、効果は見られない
ビタミンB群の中でも特にフォレートの摂取が認知症には効果的っぽい
認知症はアミロイドベータという物質が脳に蓄積することで、脳神経を傷つけ発症するというのが今の所、一番有力な説ですが、この損傷を補修する効果はビタミンB群にはないってことですかね。
あくまで、予防的な効果みたいです。
個人的には12ヶ月の継続期間が必要ってのが結構、なるほどでしたね。
ビタミンB群が直接的に認知機能に貢献しているわけではなく、間接的に貢献している可能性もありそうですね〜
気分の改善w
こちらもなかなかに大規模な検証になっています。
検証の対象になったのは合計18件の研究で、4週間以上の摂取期間あり、3つ以上のビタミンB群を摂取を条件にしています。
18研究のうち、11件がBビタミン群が気分または気分の一部に有益であると報告しました。健康的な何らかのリスク(栄養状態が低い、うつなどですかね?)がある集団の8つの研究のうち、5つが気分に有意な効果が見られました。
特に健康的なリスクのない集団には、Bビタミン群の摂取は気分の改善に利益がありました(n = 958、SMD = 0.23、95%CI = 0.02、0.45、p = 0.03)。
抑うつ症状の集団には効果は見られませんでした(n = 568、SMD = 0.15、95%CI = -0.01、0.32、p = 0.07)。また不安症にも効果は見られませんでした。(n = 562、SMD = 0.03、95%CI = -0.13、0.20、p = 0.71)。
まとめます。
Bビタミン群の摂取はが健康な人、何らかの健康的リスクのある人に関係なく気分の改善に効果を示した。
抑うつ症状や不安症には効果がない。
要はBビタミンの補充は、抑うつ、不安症まで悪化してしまった人に対して、効果は微妙だけど、多少、健康リスクのある程度だったら、比較的多くの人に気分改善効果があるってことですね。
タバコや酒より、よっぽど気分の改善にはいいのかもしれません。